「F2転換率の低下は、ECサイトにどのような影響があるのだろう?」
「F2転換率を改善する方法が知りたい」
このように、F2転換率について興味をお持ちではないでしょうか?
F2転換率とは、初回購入した顧客がリピート購入した割合を示す言葉です。
F2転換率はECサイトの収益性に大きく関わる数値であるため、担当者にとっては決して無視できるものではありません。
そこで本コラムでは、F2転換率の基礎知識を解説したうえで、F2転換が重要な理由・下がる原因から改善方法までをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
F2転換率とは、初回購入した顧客が2回目の購入をした割合を示す数値です。
F2転換率の数値は、どの程度の初回購入者がリピート購入をしているかを示し、リピーター獲得のために行っているマーケティング施策の効果や、顧客満足度を計測できるものです。
F2の「F」は「Frequency」の頭文字で、頻度を意味し、末尾の数字は購入回数を示します。
つまり、3回目の購入をした割合をF3転換率、4回目の購入をした割合をF4転換率と名称が変化するのです。
F2転換率は、下記の計算式を用いて算出されます。
F2転換率(%)=2回目の購入に至った顧客の数(人)÷初回購入した顧客の数(人)×100
たとえば、初回購入した顧客の数が8,000人、2回目の購入に至った顧客の数が2,000人の場合の計算式は「2,000÷8,000×100」で、25%となります。
このケースでは、初回購入者が1万6,000人になった場合、F2転換者数は4,000人になる見込みです。
F2転換率の平均値は業種によっても異なりますが、おおよそ30%〜40%といわれています。
そのため10%や20%など、この数値を大きく下回っている場合は、改善のための施策が必要になるでしょう。
とはいえ、同じ業種であっても、ECサイトで取り扱う商品でF2転換率も変わってきます。
たとえば、購入頻度が高い消耗品を取り扱うECサイトと、購入頻度が低い家電を取り扱うECサイトでは、F2転換率は異なるはずです。
業種・2回目の購入にかかる期間などを考慮したうえで、F2転換率をチェックしましょう。
先ほどお伝えしたとおり、F2転換率は初回購入した顧客がリピート購入をした割合を示す言葉です。
一方でリピート率は、特定期間のうちにリピーターになった顧客数の割合を指します。
リピート率は、下記の計算式を用いて算出します。
リピート率(%)=特定期間のリピート顧客数(人)÷累計新規顧客数(人) ×100
たとえば、累計新規顧客が1,000人、今月のリピート顧客数が200人の場合のリピート率は「200÷1,000×100」で、20%となります。
F2転換率を改善することで、収益に大きなプラスの影響を与えてくれます。
しかし、なぜF2転換率の改善が収益改善につながるのでしょうか?
本章では、F2転換率の改善がECサイトの収益改善に重要な理由を解説します。
理由がしっかり理解できれば、施策の途中でモチベーションが落ちることもなくなるでしょう。
マーケティングの世界では、新規顧客を獲得するためには、既存の顧客を維持するよりも5倍のコストがかかる(1:5の法則)といわれています。
なぜなら、新規顧客を獲得するには広告費や販促費を使い、商品・サービスを認知してもらうところからはじめなければならないためです。
一方、F2転換した顧客はすでに商品・サービスを認知しておりこうした費用がかからないため、コストを抑えられるのです。
新規顧客の獲得は重要な施策ですが、1回だけで利用が終わってしまうと広告費が回収できません。
「売上の8割は2割の優良顧客によるもの」とするパレートの法則もあり、リピーターの獲得は売上・収益の増加に必須といえます。
仮に新規顧客が獲得できなくても、リピートしてくれる優良顧客の数を増やすとLTV(ライフタイムバリュー)が高くなるため、利益率は増加するのです。
※LTVとは:「顧客生涯価値」の意味。1人の顧客が自社と取引を始めてから終了するまでの間に、自社にいくらの利益をもたらしてくれるかを表した数値
多くのECサイトではF2・F3・F4転換率で比較した場合、F2転換率が最も低くなり、それ以降(F3・F4)の転換率は高まる傾向があります。
つまり、一度リピートしてもらえれば、それ以降はプロモーションなどを行わなくても継続購入してくれる可能性が高いということです。
さらに、5回目・6回目と回数が増えていくと購入を維持する形になり離脱しにくい傾向にあるため、さらに広告費・販促費を抑えられるのです。
F2転換率が低くなってしまうのには明確な理由があり、改善しなければ収益は低下し続けたままになってしまいます。
本章では、F2転換率が下がってしまう主な原因を3つご紹介します。
自社のECサイトに当てはまっていないかを確認し、当てはまっていれば改善を試みましょう。
商品・サービスが顧客の期待を超えられていないと、リピート購入してくれる可能性は下がってしまいます。
「イメージしていたものとは違った」「思っていたような効果を得られなかった」となれば、F2転換しないことは明白でしょう。
たとえば「1ヶ月飲むだけで10kg痩せる」などと謳っている商品を購入した場合に、1ヶ月後に2kgしか痩せていなければ2回目を購入したいとは思わないはずです。
そもそもの商品のクオリティが低い場合はもちろん、ECサイトが誇大広告になっている場合にも、顧客の期待値を超えることは難しくなってしまいます。
顧客は初めて利用するECサイトに対し「購入して本当に満足できるだろうか」「この企業で大丈夫だろうか」と不安を感じているケースがほとんどです。
そのため、商品・サービスの品質を上げることも重要ですが、アフターフォローに力を入れ「この企業で商品を購入してよかった」と感じてもらう必要があります。
たとえば、購入のお礼メールを配信したり、商品のよりよい使い方の情報を提供したりすると、顧客体験は向上するでしょう。
しかし、売りっぱなしでアフターフォローが何もなければ顧客体験がよくなることはなく、商品や企業の印象は薄くなる一方となってしまいます。
前述でアフターフォローの重要性を解説しましたが、一方で過剰なアプローチはリピート購入を妨げる原因になってしまいます。
なぜなら、顧客は「売り込まれている」と感じると、購入意欲が大きく低下してしまうためです。
たとえば、初回購入時に大量の販促POPを同梱したり、商品到着後毎日のように宣伝メールを配信したりすると、顧客は「うっとうしい」「しつこい」と感じてしまうでしょう。
企業からのアプローチは必要ですが、過剰になると顧客の心は離れてしまう原因となるのです。
F2転換率を改善すると、ECサイトの収益は大きく改善されます。
そのため、F2転換率が低い原因を把握した後は、改善のための施策を考えなくてはなりません。
本章では、F2転換率の一般的な改善施策を6つご紹介します。
原因に対応した改善策を講じ、収益改善を目指しましょう。
そもそもの商品がリピートに適したものでないと、F2転換率は上がりません。
そのため、リピート性のある商品を取り扱いましょう。
リピート性の高い商品の特徴は下記のとおりです。
顧客がリピートしやすい商品を販売してF2転換率を高めれば、収益増加・コスト削減を目指せるでしょう。
ECサイトにおけるUX(User Experience)とは、サイト内の回遊や商品購入を通じて体験することすべてを指します。
ECサイトのUXが改善できれば顧客体験が向上し、リピートにつながる可能性が高まるでしょう。
UXを向上させる取り組みの一例は下記のとおりです。
UXを改善し顧客満足度が向上すれば、自然とF2転換率もアップするでしょう。
アフターフォローが適切に行われていなければ、2回目の購入につながる可能性は下がってしまいます。
そのため、アフターフォローを最適化する必要があります。
アフターフォローは、タイミングと手段を顧客に合わせなければ効果を得にくいものです。
タイミングは商材によっても異なりますが、初回購入から1ヶ月〜2ヶ月を過ぎると、F2転換率が大きく下がるといわれています。
ベストなタイミングは「商品を使い終わる少し前」です。
商品・サービスの購入サイクルに合わせて、ステップメール・DM・はがきなど適切な方法でアプローチする必要があるでしょう。
クーポンは、顧客の購入意欲や関心を大きく惹きつける効果があるといわれています。
そのため、初回購入者を対象としたクーポンを贈るのも、F2転換率を上げるのに効果的です。
クーポンは初回購入時に同梱するのではなく、2〜3日後に贈るのがベスト。
なぜなら、商品を使う前よりも実際に試した後の方が、リピートする気持ちになりやすいためです。
また「今月限定」「2週間後まで」など期間を限定すると「今買わないと損してしまう」という気持ちになるため、より2回目の購入につながりやすくなります。
初回購入時の同梱物やメルマガなどで、自社のSNSアカウントのフォローを促すのもリピート顧客を増やすのに効果的です。
なぜなら、SNSは顧客の日常生活の中で触れる機会が多いためです。
たとえばアパレルECサイトであれば、インスタグラムで商品のコーディネートの提案や、ブランドの世界観の表現がうまくできれば2回目・3回目の購入を促せるでしょう。
ただし、SNSでは売り込みが強すぎると敬遠される傾向があるため、顧客目線での投稿を忘れないようにしましょう。
F2転換率の向上には、顧客と適切なコミュニケーションをとる必要があります。
これまでにも解説してきたように、商品購入直後で使用方法が求められていると思われる顧客には商品の活用方法を、一定期間が経過した顧客には初回購入者限定のクーポンを配布するといったことは重要です。
そういったコミュニケーションの自動化と顧客情報の一元管理をするには、CRMツールの活用をおすすめします。
CRMツールを活用することでできることの一例は、以下のとおりです。
CRMツールを活用し顧客の行動に合った施策を自動化することで、効率的にF2転換率を向上させられるでしょう。
F2転換率の改善方法はさまざまであるため、どの施策を選ぶべきか悩んでしまう方もいるかもしれません。
そこで本章では、適切なF2転換率の改善施策を選ぶ手順・運用方法を解説します。
施策の選択手順がわかれば、最適な施策が選べ、収益改善に一歩近づけるでしょう。
根拠がない状態でF2転換率を改善するための施策を打っても、当たる可能性は低くなってしまいます。
そのため、まずは今いる顧客を分析し、ECサイトの現状を把握するところから始めます。
ECサイトの現状を把握するためにやるべきことの例は、下記のとおりです。
顧客分析は手作業では難しいため、MA/CRMツールなどを活用して行うのがおすすめです。
初回購入者とリピーターの分析ができれば、必要な施策を選択し、実行します。
たとえば、アフターフォローに問題があるならば、メール・SNS・DMなどどのような方法を使ってコミュニケーションを取るか、タイミング・頻度・内容などを詰めていきます。
また、サイトの動線に問題があるならば、ECサイトの構造や商品購入時のページ遷移数を減らすなどの施策を行うのもよいでしょう。
立案した施策が失敗することもありますが、まずは実行してみることがよりよい施策の立案につながります。
施策を実行したら、一定期間で効果を検証しPDCAを回しましょう。
実行した施策が最適だったかどうかを判断することで、よりよい施策の立案につながります。
施策の効果の良し悪しを判断するためには、具体的なKPIを決めておくのが重要になります。
KPIがなければ選択した施策が適切なのかどうかの確認が困難であり、続けてよいのか辞めるべきなのかが判断できないためです。
たとえば「F2専用LPの訪問者数」や「メールの開封率」がKPIになるでしょう。
目標があれば達成したのか、していないのかが明確になるため、次の施策を決めやすくなります。
F2転換率を改善することで、収益向上が期待できます。
なぜなら、広告などにかかる宣伝費を削減でき、顧客一人ひとりのLTVを向上させられるためです。
F2転換率を改善するためにまずは低下の原因を把握することが最重要です。
その後、その原因を解消してくれる施策を選び、実行しましょう。
そうすることで適切なアプローチができるため、F2転換率を効率よく改善できるはずです。
F2転換率を向上させ、ECサイトの収益向上につなげましょう。
もし、顧客の購買履歴の管理・行動分析などができるツールをお探しであれば、弊社の「OmniSegment」の活用をご検討ください。
OmniSegmentは、ECサイトに必要な機能のみが搭載されたマーケティング自動化ツールです。
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ECサイトのマーケティング効果をより高めたいとお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。