「ECマーケティングって、具体的に何をすればいいの?」
「ECマーケティングの全体像を把握したい」
ECサイトの運営について、このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
ECマーケティングとは、ECサイトに適したマーケティング施策のことを指します。
大きく分けて「集客」「購入の促進」「リピーターの獲得」の3ステップで構成されています。
本コラムでは、ECマーケティングの概要と全体像を解説したうえで、具体的な手法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ECマーケティングとは、インターネットを通して商品やサービスを販売する「ECサイト」に適したマーケティング施策のことです。
一般的なマーケティングと同様、消費者に自社の商品やサービスを購入してもらい、売上や利益を向上させることを目的としています。
従来のマーケティングと比較した、ECマーケティングならではの特徴は下記のとおりです。
従来のマーケティングは対面や訪問営業を前提としていますが、ECマーケティングでは上記のようなオンラインならではの特徴が加わります。
ECマーケティングを行う際の基本戦略は下記のとおりです。
ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
ECマーケティングは通常のマーケティングと同様、ターゲット設定が重要です。
現代ではユーザーの嗜好が多様化しているため、誰に買ってもらいたいのかを決めてマーケティング施策を行わなければ、誰にも刺さらないプロモーションになってしまいます。
ターゲット設定は、セグメンテーションを行い、細分化したセグメントの中からターゲットとする層を決定します。
ターゲット設定の手順は以下となります。
資金や人員などのリソースには限りがあります。
自社にとって有望でないセグメントは切り捨て、より有望な市場をターゲットとしたECマーケティング戦略を検討しましょう。
ECマーケティングでは、競合分析と差別化戦略も重要となります。
上記を行う際は、「3C分析」と呼ばれるフレームワークを活用するのがおすすめです。
3Cとは、自社(Company)・競合(Competitor)・顧客(Customer)の頭文字からきており、この3つの視点からマーケティング環境を把握し、分析することを3C分析と呼びます。
競合分析・差別化戦略を行い、市場で自社が立つべき位置を見つけましょう。
ECマーケティングの重要な施策の1つとして、コンバージョンの最適化があります。
コンバージョンとは、WEBマーケティングにおいて「成果」を意味する用語です。
「CV」と略されて使われることも多くなってきています。
ECサイトにおけるコンバージョン最適化とは、自社サイトの内容やデザインなどを改善し、CV数・CV率を高めることです。
コンバージョン最適化の施策の例は下記のとおりです。
ECサイトを運営し収益を向上させるうえで、コンバージョン最適化は外せない戦略といえるでしょう。
ECマーケティングは一見するとやることが多く非常に複雑なイメージもありますが、実際は意外にシンプルです。
ここでは、ECマーケティングの全体像を大きく3つに分けてご紹介していきます。
ECサイトへ多くのアクセス数を集めるほど商品やショップの認知度が上がり、購入につながりやすくなるため、まずはECサイトへの集客を行います
例えば購入率が同じ1%であっても、月に100人しかアクセスがないECサイト(購入数1個/月)と10,000人来るECサイト(購入数100個/月)では、購入数に大きな差が出ます。
ECサイトでは実店舗がないため、ショップを作ったからといって誰かが店舗の前を通るようなことはありません。
そのためさまざまな手段を駆使して、顧客にECサイトの存在を知ってもらう必要があるのです。
集客に成功しアクセス数が増えても、サイト内で商品・サービスを購入してもらわなければ売り上げにはつながりません。
そのため、顧客に対して購入を促進し、購入率を上げる必要があります。
例えば、同じ10,000人の集客ができているECサイトがあるとすると、購入率の違いでCV数が大きく異なります。
集客した見込み顧客に購入を促進することで購入率を上げ、CV数を向上させる必要があるのです。
新規顧客を獲得し続けるだけでは、長期的に安定した売り上げを確保することは難しいでしょう。
そのため、1度購入してくれた顧客の再訪・再購入を促し、リピーターになってもらう必要があります。
リピーター獲得施策の代表的なものの1つは、メールマガジンの配信です。
新商品情報はもちろん、イベント案内・キャンペーン情報などを配信することで、顧客の興味を引いたり、店舗(ECサイト)の存在を思い出してもらうなどが可能となります。
一度で顧客との関係が切れないよう、こちらからアプローチする必要があるのです。
ECマーケティング手法のうち、集客のために使われる具体的な施策は下記のとおりです。
ここでは上記の内容について、それぞれ詳しく解説します。
インターネット広告とは、その名の通りインターネット上に掲載される広告のことです。
インターネット広告はECサイトにアクセスしたことがないユーザーを誘導できるため、新規顧客の獲得に有効な施策といえます。
インターネット広告にはさまざまな種類がありますが、ECサイトでよく用いられるのは下記のとおりです。
目的やターゲットユーザーに合わせ、出稿する広告を選びましょう。
Instagram・X(旧:Twitter)・Meta(旧:Facebook)・LINEなどのSNSを活用し、ECサイトに集客する手法です。
通常の投稿はもちろん、各SNSでは広告機能もあり、年齢や性別、居住地域を絞った広告を出稿できるのが特徴です。
SNSは、一昔前は友人などとのコミュニケーションツールとしての利用が主でしたが、最近では情報収集のツールとして利用される傾向が強まっているため、ECサイトの集客にも使えます。
実際「TesTee Lab」が実施した「SNSの検索機能に関する調査結果」では、高校生・大学生がX(旧:Twitter)・Instagramを利用する目的の第1位は、ともに「情報収集」でした。
昨今SNSで情報を探している方は増えているため、情報を発信している側としては高い集客効果が見込めます。
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、おもにGoogleやYahoo!をはじめとする検索エンジンで特定のワードで検索されたときに、自社のサイトをより上位に表示させるための施策です。
例えば、ウォーターサーバーの販売会社のECサイトが「ウォーターサーバー おすすめ」や「ウォーターサーバー 美味しい」の検索結果で上位に表示されていれば、ユーザーがサイトを訪れ購買してくれる可能性が高まるでしょう。
このように、商品・サービスに興味が高い顧客を集められるのがSEOの強みです。
SEOにつながる具体的な対策はブラックボックスかつ、いくつもありますが、共通して大切なのは「ユーザーファースト」であることです。
ユーザーの持つ悩みを解決する有益なコンテンツであれば、検索上位に表示されやすくなり、それに伴いサイトへのアクセス数は増加するでしょう。
プレスリリースとは、新聞・雑誌・ニュースサイトに対して自社の新しい商品や取り組みを発信し、記事にしてもらうマーケティング手法です。
有名なメディアであればすでに多くの閲覧者がいるため、取り上げられれば多くの方にECサイトや商品をアピールできます。
また、メディアによっては無料で使えるものもあり、ECサイトの立ち上げ初期などにはぜひ活用したい施策です。
ただ、発表したプレスリリースにメディアが興味を持たなければ、取り上げられない可能性もあります。
まだ世にない商品を出す時のように、世間の興味関心が高く注目を集めやすい場合にプレスリリースを活用するのがおすすめです。
ECマーケティング手法のうち、購入促進のために使われる具体的な施策は下記のとおりです。
ここでは上記の内容について、それぞれ詳しく解説します。
ランディングページとは、検索結果や広告などをクリックしたユーザーが、最初に訪れるページのことです。
ランディングページがユーザーの意向に合っていればCV獲得につながりますが、そうでない場合は離脱されてしまう可能性が高いでしょう。
CV獲得の可能性をより高めるために、ランディングページを最適化する必要があるのです。
ランディングページを最適化する際は、以下のような点に注意しましょう。
ECサイトのランディングページを最適化することは、購入促進に有効な施策の1つです。
サイトのデザインは、見た目だけでなく使いやすさにも影響します。
サイトデザインが悪くユーザーに「使いにくい」と感じられてしまうと、その場で離脱されてしまう可能性が高まります。
具体的に、ECサイトの使いやすさに関わるものは以下の項目です。
サイトデザインは見た目も大事ですが、何よりもユーザーが迷わずCVまで到達できることが最も重要です。
ECサイトのデザインを見直し、わかりやすさ・使いやすさを向上させましょう。
ユーザーがサイトを訪れてくれても、目当ての商品が見つからなければ離脱されてしまいます。
ユーザーが希望の商品を見つけられるよう、ツールを導入し、機能を充実させる必要があるでしょう。
ECサイト内にあると便利な機能の一例は下記のとおりです。
これらはツールを用いることで導入できるほか、ECシステムに搭載されている場合もあるため、導入できるものは積極的に追加することをおすすめします。
◆カゴ落ちについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
カゴ落ちが起こる理由と対策|カゴ落ち率・計算方法も徹底解説!
ECマーケティング手法のうち、リピーター獲得のために使われる具体的な施策は下記のとおりです。
ここでは上記の内容について、それぞれ詳しく解説します。
商品を購入したことがあるユーザーに、定期的に情報を発信する施策です。
ブログやSNSなどは不特定多数に情報を発信しますが、メールやLINEは特定のセグメントに該当するユーザーに直接届けられるため、昔から現在まで有効な手段として使われています。
リピーター獲得のためにメールマガジン・LINEで配信する内容の一例は下記のとおりです。
また、メッセージの開封率などのデータを取得できるため、反応の高かった件名や内容についてのナレッジも蓄積可能です。
これにより効果の高いメッセージに改善でき、より高い精度の情報を配信できるでしょう。
リマーケティング広告とは、過去に自社ECサイトに訪れたことがあるユーザーにアプローチするための手法です。
サイトに訪問経験があるユーザーは自社に興味があるケースが多く、費用対効果も高くなる傾向にあります。
リピーターの獲得はもちろん、まだ購入経験のないユーザーにも配信できるため、毎月訪問者数が一定数以上のECサイトであれば取り入れる価値は高いといえるでしょう。
ただ、閲覧履歴を追従して広告を掲載する仕組みであるため、ユーザーによっては不快に感じる方もいます。
同じユーザーに対し期間中の広告表示の上限回数を指定できる「フリークエンシーキャップ」機能など、広告配信の機能をうまく活用することが大切です。
メールマガジンやLINEは効果的なマーケティング手法ですが、未開封のままであったり、ゴミ箱にそのまま捨てられてしまうことも多いのが実情です。
実際メールマガジンの開封率は業種などによっても異なりますが、平均で20%ほどといわれています。
つまり、単純計算で10人中8人は開封していないことになるのです。
その点、チラシやダイレクトメールは顧客の目に止まりやすく、手にとってもらいやすいのが強みです。
また、興味のある内容であれば保管してもらいやすい点もメリットでしょう。
そのため、定期的に注文が必要な商品であれば、保管しやすいデザインにするとより効果的です。
一方で、コストが高くついてしまうのがデメリットとして挙げられます。
印刷費・デザイン費・郵送費がかかってしまうため、単価の安い商品とは相性が悪いといえるでしょう。
ポイントやクーポンなど会員限定の特典は、リピーター獲得に有効な施策です。
ほかのECサイトと比較したときのメリットがわかりやすい分、ユーザーが自社サイトで買い物をしてくれる可能性が高まるためです。
ポイントやクーポンに、1ヶ月などの使用期限を設けることで、購買行動につなげやすくなるケースも見られます。
使用期限や割引金額などを随時テストし、1番よい結果の出るパターンを見つけるのが理想です。
ECマーケティングの手法には多くの種類があるため、その中から自社に必要な施策を選び取る必要があります。
そのため、まずは施策を選ぶための材料を集めなければなりません。
そこで、ここではECサイト担当者が施策を決めるためにまず行うべき2ステップを解説します。
ECサイトの担当者になった際、まず行うべきは現状把握です。
なぜなら、現状を正しく理解することで課題が把握でき、具体的な対策を打ち出せるためです。
そのために、まずは現在の売上情報を整理しましょう。
ECサイトの売り上げは、以下の式で算出されます。
売上=サイトを訪れたユーザーの数×購入率×顧客単価
まずは自社ECサイトの売上を作っている3つの要素を洗い出しましょう。
洗い出すことで現状がある程度把握でき、優先的に改善すべき課題が整理できます。
例えば、次のような課題がよく挙げられます。
そもそものアクセス数が少ないため、今以上に伸ばさなければならない
アクセスは集められているが購入率が低いため、改善の必要がある
売上の構成要素から現状を把握し、自社の課題を見つけましょう。
自社のECサイトの課題を把握できたら、マーケティング戦略を策定していきます。
マーケティング戦略を決めていく手順は下記のとおりです。
競合他社と比較して自社の強み・弱みとターゲット設定ができれば、自然にとるべき戦略が見えてきます。
ここで手順通りに自社・競合分析、ターゲット設定を行わず「SNS集客をする」「メールマガジンでリピーター獲得を目指す」などと手段を決めてしまうと、上辺だけの施策になってしまい、うまくいかないことがほとんどです。
手法にはそれぞれ向き不向き、適切なターゲット層などがあるため、焦らずじっくりとマーケティング戦略を決めていきましょう。
ECマーケティングはやろうと思えばどこまででもできてしまうため、やるべきことがどんどん増えてしまいがちです。
そこで重要になってくる考え方が、「ECマーケティングの自動化」です。
ここでは、ECマーケティングの自動化のメリット・注意点についてご紹介します。
ECマーケティングを自動化する主なメリットは、下記の2点です。
ECマーケティングの自動化は、特にリピーター獲得の場面で力を発揮します。
リピーターを獲得すると、新規顧客を獲得するための広告費・販促費が削減できるため、大きな節約につながります。
これにより、事業を成長させるほかの要素に多くの費用を割けるようになるでしょう。
ECマーケティングを自動化する際は、下記の点に注意する必要があります。
ECマーケティングの自動化は長い目で見ると節約につながりますが、短期的には大きな出費となります。
ツールにもよりますが、なかには初期費用に数百万円かかるケースもあるため、売上規模が小さい場合は割に合わなくなる可能性もあるでしょう。
また、ツールは多機能であり複雑なものも多いため、扱えるスキルを持つ人材が社内にいなければ、新たに雇用する必要も出てきます。
そのため、気軽な気持ちでツールを導入、というわけにはいかないでしょう。
◆マーケティングツールについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
ECマーケティングは下記の3ステップで構成されています。
施策を立案する際は、自社の課題は上記の3つのうちのどれなのか把握し、商品やターゲットに合った施策を選択する必要があります。
店舗には店舗向けの、ECサイトにはECサイト向けの施策があります。
ECだからこそ扱える購買データや分析情報を活かし、効率よく売上向上を目指しましょう。
もし、ECマーケティングをより効率的に行いたいとお考えであれば「OmniSegment」の活用をおすすめします。
OmniSegmentは、ECサイトに必要な機能のみが搭載されたマーケティング自動化ツールです。
従来のマーケティングツールよりもシンプルなため、誰でも手軽に活用できます。
また、顧客情報を行動や商品購買データによって高度にセグメントできるため、適した施策を選択・実行しやすい点もメリットです。
ECマーケティングをツールにより効率的に行い、ビジネスを成長に導きたい方は、お気軽に資料請求・お問い合わせください。